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アシュタンガヨガのその魅力と効用は?シュリ・K・パタビ・ジョイス師の伝統を受け継ぐ歴史

 2018/06/07 ヨガ
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近年、日本でも大人気のアシュタンガヨガ。

ここ十数年程は、東京だけでなく全国各地に、インドの伝統に従って教えるスタジオやヨガスクールが増えました。

 

1日の始まりにスタジオへ行って、先生の元でプラクティスをする、という日課を長年続けている人も全国に沢山います。

また、最近の雑誌ヨギーニでは、丸ごとアシュタンガヨガ特集が組まれ、日本でも確実にアシュタンガヨガが定着していることが伺えます。

 

アシュタンガヨガはどうしてそんなに魅力があり、人々に沢山の恩恵をもたらすのでしょう?

 

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ヨガの目標

パタンジャリ像

パタンジャリ像 ©GANESHA PROJECTS

 

パタンジャリという、紀元前2世紀ごろに、サンスクリット語で『ヨーガ・スートラ』というヨガの教典を編纂した賢人がいました。

賢者パタンジャリによって説かれたヨガ教典『ヨガスートラ』によると、ヨガの目標は次のように示されています。

 

yogaś-citta-vr̥tti-nirodhaḥ (第1章2節)

心の作用を死滅することが、ヨーガである。

 

パタンジャリは、「心の波立ちを制御できれば、その人はヨガをしていることになる。」と定義しています。

とても奥が深いですね。。。

 

欧米や日本でも、ヨガと言うと身体が柔らかくなるとか、キレイになる、痩せる、セレブリティー、といったイメージがあるかもしれませんが、これらはヨガを実践することから得られる副産物の一部にすぎず、ヨガ本来の目標とは一切関係ありません。

 

では、その目標を可能にするための科学的方法論である、アシュタンガヨガとはどう言う教えなのでしょう。

アシュタンガヨガって何?

ヨガという言葉には、関係、手段、結びつく事、知ること、原因、理論、進むべき道、従うべき道など沢山の意味があります。

ヨガはインドで生まれ、太古より脈々と師から弟子へ、と伝統により引き継がれてきた叡智です。

 

ヨガは生命の哲学であり、活力ある健康的な身体と精神をつくりだす可能性を秘めています。

それは、とても綿密にデザインされた科学であり、時として一生涯に渡って探求される道です。

 

“アシュタンガ”=8支則

“アシュタンガ”とは、サンスクリット語で8本の枝という意味です。

 

『ヨガスートラ』の中で、その8本の枝は次のように述べられています。

1、ヤマ(禁戒、節制する事)

2、ニヤマ(勧戒、遵守する事)

3、アーサナ(坐法、ポーズ)

4、プラーナーヤーマ(調気、呼吸のコントロール)

5、プラティアーハーラ(制感、感覚の制御)

6、ダーラナ(集中)

7、ディヤーナ(瞑想)

8、サマディ(三昧)

 

ヤマ、ニヤマとは、私達が社会において、また個人的に、するべきではない事柄や遵守すべき事柄、といった従うべき規範です。

 

第1の支則であるヤマは、次の5つから成ります。

+ アヒムサー (非暴力)

+ サティヤ (正直)

+ アステヤ (不盗)

+ ブラフマチャリヤ (禁欲)

+ アパリグラハ (不貪)

 

賢人パタンジャリは、「これらは普遍的な事柄であり、階層、場所、時間、環境によって制約されない。」と述べています。

 

そして、第2支則の二ヤマは、次の5つから成ります。

+ シャウチャ (清浄)

+ サントーシャ (知足)

+ タパス (苦行)

+ スワーディヤーヤ (読誦、霊的書物の研究)

+ イーシュワラプラニダーナ (自己放棄、全ての行為を神に捧げること)

 

前述の8つの枝は、それぞれ互いに支え合っています。

と言うのは、ヤマ、ニヤマを実践することなくアーサナだけやっていても、それはヨガではなく、ただのエクササイズになってしまいます。

 

また、アーサナの練習はプラーナーヤーマ(調気)を正しく実践するために、まずしっかりと確立されなければなりません。

そして、ヤマ、ニヤマの枝を発達させるための鍵でもあります。

はじめの外的である5つの枝がしっかり培われると、残りの内的な3つの枝は自発的に起こると言われています。*

 

*はじめの4つを外的支則とし、残りの4つを外的支則とする意見も聞いたことがありますが、ここではプラティアーハーラ(制感)を外的支則と内的支則の架け橋と捉えます。

 

アシュタンガヨガの特徴

セカンドレッドクラス

セカンドレッドクラス @KPJAYI © Matt Corigliano

 

ヴィンヤーサ

“ヴィンヤーサ”とは、呼吸とシンクロした身体の動きのことを意味します。

一連のアーサナの練習をする時、全ての動きに順番が付いていて、一つ一つの動きに対し、吸ったり吐いたりの呼吸が一つづつ与えられています。

 

例えば、太陽礼拝をする時、一番最初の動きは、息を吸いながら両手を上げて手を合わせる、二つ目の動きは、息を吐きながら手を下ろし前屈していく、といったように、必ず呼吸と動きをシンクロさせます。

そして、ヴィンヤーサがアーサナとアーサナを正しい順番で次々と繋いでいきます。

 

分かりやすく言うと、ヴィンヤーサは呼吸と言うことですね。

 

ムーラ・バンダ(1)とウディヤナ・バンダ(2)、と呼ばれるエネルギーを閉じ込めておくためのテクニックを組み合わせた呼吸、と動きをシンクロさせることにより、体内に強烈な熱が作り出されます。

 

(1)ムーラ・バンダ(ムーラ=根、バンダ=錠、又はロック)とは、肛門をお臍の方へ引き上げることを意味します。

(2)ウディヤナ・バンダ(ウディヤナ=飛び上がる、バンダ=錠、又はロック)とは、お臍から約10cm下の深層筋を引き上げることを意味します。

 

ヴィンヤーサを行いならがらアーサナをとる事によって作られる熱が、血液を温めてサラサラにし、身体の隅々まで循環させます。

そして、身体から、痛みや溜まった毒素、病を追い出してくれます。

その際に、沢山の汗が身体中から出てきます。

 

金を精錬する時に、自然金を炉の中で溶かして不純物を取り除くように、ヴィンヤーサを行うことにより出てくる汗によって、私達の体内に溜まった毒素を取り除いていきます。

その結果、身体はまるで金のように、健康的で強靭なものになります。

 

 

呼吸

アシュタンガヨガのシステムを実践する際、深く均等な呼吸を連続して続けることはとても重要です。

火を燃やすには、風(空気)が必要であるのと同じで、私達の心身を浄化するためにも、火と風(空気)が必要です。

 

私達の身体の中で、火はお臍の下約10cmのところに位置し、その火を燃やすために呼吸が必要です。

竹筒などで火を熾す時に、火が消えてしまったり、制御不可能になって吹き消えないように、均等にしっかり吹かないといけないのと同じで、体内の火を燃やすためにも深く均等な呼吸が必要です。

 

そして、そのような深く均等な呼吸は、体内の火を強くし、血液を温め身体を浄化するのを助け、さらには神経系を浄化してくれます。

反対に、不均等な呼吸や速すぎる呼吸は、心臓の鼓動を乱し、身体と自律神経系のバランスを崩してしまいます。

「偉大なるヨギ達、シュリ・T・クリシュナマチャリヤ師とシュリ・K・パタビジョイス師の教えによると、“呼吸は生命”であります。」

 

トリスターナ

“トリスターナ”とは、サンスクリット語で“3つの注意を払う場所”、という意味です。

 

+ 坐法(アーサナ)

+ 呼吸(バンダと組み合わせられた呼吸法)

+ 凝視点(ドゥリシュティと言い、それぞれのアーサナをとる時に見るべき所)

 

この3つは常に同時に行われます。

アーサナは身体を浄化し、強靭で柔軟にしてくれます。

深く均等な呼吸は、神経系を浄化してくれます。

 

アシュタンガヨガの呼吸法において重要な要素は、先程述べたムーラ・バンダとウディヤーナ・バンダを必ず一緒に行うことです。

バンダなしでは正しい呼吸は行えませんし、アーサナをとっても効用が得れません。

 

凝視点(ドゥリシュティ)は全部で9箇所あり、マインド(心、精神)を浄化し強くします。

これらの正しい実践法については、必ず実践経験のある先生から習うようにしましょう。

 

アシュタンガヨガの効用

セカンドレッドクラス

セカンドレッドクラス @KPJAYI © Matt Corigliano

 

アシュタンガヨガを正しい順序で実践していくと、身体的、心理的、精神的といった人間のありとあらゆるレベルにおける潜在的能力を、最大限のところまで引出したり、再発見できるようになっていきます。

私達の感覚器官と言うものは、いつも外に向かって何かを探し求めています。

良い匂い、キレイ、寒い、、、というように。

 

そして、身体は常に怠惰に流される傾向があります。

それらをコントロールするのは簡単なことではありません。

 

トリスターナを正しく行っていくことにより、3段階の浄化が行われます。

先ず、身体が浄化され、次に神経系が浄化されます。

その後、感覚器官が浄化され、それらをコントロール可能になります。

 

“長期に渡って”、“継続して”、“熱心に”続けることによって、身体は強靭かつ柔軟で健康的になり、マインドは、明快、明確、明瞭になります。

そして、感覚器官をコントロール出来るようになり、そうすると、マインドコントロール(自分の心の動きを制御する事)は自発的に可能になります。

 

アシュタンガヨガの歴史

若かりし頃のパタビ・ジョイス

若かりし頃のパタビ・ジョイス。

Sri.K.Pattabhi Jois:Tributeより抜粋

シュリ・K・パタビ・ジョイス師(1915-2009)が教え、20世紀後半から世界中に広まったアシュタンガヨガ。

それは古代の聖人、ヴァマナが書いたとされる、サンスクリット語で書かれた古代の教典『ヨガ・コルンタ』が起源になっていると言われています。

 

1927年にパタビ・ジョイスが、彼の師であるシュリ・T・クリシュナマチャリア(1888-1989)の元で修行を始めた時に、教わったのが『ヨガ・コルンタ』に著されていた方法論でした。

それは、クリシュナマチャリアが、彼の師、ラーマ・モハン・ブラマチャリの元で修行をしていた7年半の間に、口伝えに学んだ沢山ある経典の一つでした。

 

この教典の消息を辿るのは今日では困難を極めますが、パタビ・ジョイスが教えたアシュタンガヨガの起源はここにある、と一般的に認識されています。

 

どのような人に向いてる?

ヨガは、年齢や男女問わず、虚弱な人も、病気や身体が不自由な人も、誰でも実践をすることが出来ます。

また、国籍や文化的背景も関係ありません。

 

ヨガの教典『ハタヨガ・プラディーピーカー』には、次のように著させています。

若い人も、年老いた人も、高齢者も、病人も、虚弱な人も、怠らずにヨガを実践することによって、あらゆるヨガにおいて成功を収める。(第1章64節)

 

つまり、怠け者にだけヨガは向かない、ということで、彼らを除けば、8歳以上なら(12歳以上とも言われます)誰でも練習出来ます。

必要なのは、情熱と習いたいという気持ち、そして続ける強い意志だけです。

 

どこで習えるの?

日本では現在、全国にアシュタンガヨガを教えているスタジオや教室が沢山あります。

早朝や夕方に、同じ先生が週5〜6日のマイソールクラスをやっているところだと、インドの伝統に従ったやり方で、少しずつ各自のペースに合わせて習うことが出来るでしょう。

早朝のクラスに通えない人のために、昼間や夕方に定期的に行っているクラスもあります。

マイソールクラス以外に、クラスの呼び方が各スタジオや教室によって違うかもしれませんので、まずは、アシュタンガヨガを教えているか、調べてみましょう。

 

本やインターネットの動画、DVDは、普段の練習の補足としては良いかもしれませんが、フィードバックがないので、それらから学ぶことは出来ません。

必ず、経験がある先生から、直接習うようにしましょう。

 

マイソールクラス

マイソール宮殿

マイソール宮殿 ©Rie Kazusa

 

マイソールクラスとは、その名の通り、インド・マイソールの街の名前からきています。

伝統的にマイソールでは、土曜日と満月、新月の日以外、週に6日間、早朝に教えられています。

 

それぞれの生徒が、各自の練習を自分のペースでするクラスです。

そこでは、何人もの生徒が一緒に、他の生徒と隣り合わせで練習をし、一人一人個人的に指導を受けます。中にはビギナーも長年の熟練生もいます。

 

先生が、それぞれの生徒が必要な時に、新しいポーズを教えたり、説明やアドバイスを与えたり、またアジャストメント(アーサナを直したり、手伝ったりすること)を行います。

そうする事で、生徒は不要に集中を乱されたり、中断されることなく練習することが出来ます。

 

このようにして、プラクティスが生徒一人一人のペースで、各自にしっかりと定着していきます。

この静寂でサポートされた環境により、それぞれが深くヨガを経験できるため、初心者にも上級者にも等しく理想的なクラス環境と言えます。

 

レッドクラス

レッドクラス

Photo @KPJAYI 2004

 

レッドは赤のredではなく、lead(導く)の過去分詞ledの意味からきています。

ですので、レッドクラスとは、先生がサンスクリット語でポーズの名前や、ヴィンヤーサのカウントをし、生徒を導いていき、生徒全員がカウントに従って一緒にアーサナを練習するクラスです。

 

基本的に、マイソールクラスの一環とし、普段練習をしている生徒などが、週に一回または定期的に受けるクラスです。

正しいヴィンヤーサのカウント(どこで吸って、どこで吐くなど)を再確認するためにもなりますし、普段ついつい逃している事などの再確認にもなります。

 

クラスの特徴

まずは呼吸法や太陽礼拝、ポーズを一つずつ先生から習います。

先生は一人一人に合わせて指導をするので、みんな同じシステムに従って同じ事をやっているようですが、他の生徒がやっていることは関係ありません。

 

また、次の日も、また次の日も、習ったことをを繰り返しながら覚えていきます。

毎日、と聞くと驚くかもしれませんが、初めの練習時間は30分もかからないでしょう。それから少しずつ、少しずつ延びていきます。

 

1日にまとまった時間の取れない人は、週に1〜2回、1時間半のアーサナの練習をするより、毎日短い時間でも、先生の元へ行き、出来る限りのことをするだけで立派なプラクティスと言われています。

クラスに行くことによってモチベーションにもなります。他の生徒と練習をするので、クラス内のエネルギーも高まり、自分にも反映されます。

 

時間が経っていくうち、1日の感じ方が違うことに気付いていくでしょう。

1日の始まりにアーサナをする生活から得られる恩恵は、本当に多大で、疎かに出来ません。

 

こうしてまずは、アーサナの練習から入ることにより、他の支則も学んでいきます。

 

先生選び

世界中のみならず、日本全国からも毎年沢山のアシュタンガヨガ実践者がマイソールを訪れ、それぞれの師との修行に励んでいます。

マイソールのKPJAYIから授与される、アシュタンガヨガ正式指導者資格を保持している先生が、近くでマイソールクラスを開いていればきちんと教えてくれるでしょう。

 

資格を持っていなくても、経験のある先生と長年修行し、またその先生にも先生がいる、つまりパランパラーに基づき修行をし、そして、長期に渡り日々自己の練習を続けている、という先生からは、必ず多くのことが学べるでしょう。

 

出来れば自分に合った先生を一人に絞り、同じ先生から学ぶのが良いでしょう。

2人の医者を持つと、患者は死んでしまう。2人の先生を持つと、生徒はダメになってしまう。と、パタビ・ジョイスは言います。

 

シュリ・K・パタビ・ジョイス師とは?

パタビ・ジョイスと、孫で後継者のシャラット・ジョイス

パタビ・ジョイスと、孫で後継者のシャラット・ジョイス

Sri.K.Pattabhi Jois:Tributeより抜粋

 

多くの弟子からグルジという愛称で呼ばれたパタビ・ジョイス。

グルとは、サンスクリット語で「闇から光へと導くもの」を意味し、ヨガの伝統ではとても重要な存在である、師匠、指導者、尊師などの意味があります。

 

近代ヨガの父と呼ばれ、20世紀世界に最も影響を与えたと言われるヨガ指導者、シュリ・T・クリシュナマチャリア師と、25年に渡って修行をしました。

 

そして、彼もまた、2009年に亡くなるまで、60年以上に渡り献身的な指導を続け、世界に多大なる影響を与えました。

クリシュナマチャリヤとの出会いは、12歳の時に、彼がヨガのデモンストレーションをしていたのを見て、ヨガを教えてもらいたいと頼んだのがきっかけでした。

 

2年間、クリシュナマチャリヤとヨガを学んだ後、彼は家族の誰にも告げずに、なけなしの小銭をポケットに忍ばせ、生まれ育った村を発ちマイソールへ向かいました。

サンスクリット大学に通うためで、マイソールとは南インドにあるマハーラージャ(偉大な王)がいた街です。

 

彼はそこでクリシュナマチャリヤと偶然にも再会し、サンスクリット大学に通いながら、ヨガの修行を続けました。

のちに、マハーラージャの支援を受け、大学でヨガを教えるようになりました。

 

1930年から長年大学にとどまり、ヴェーダやサンスクリットを修め、ついにはアドヴァイタ・ヴェーダンタで教授の地位を得ました。

そして、1973年に自宅のシャラ(ヨガの学校)でヨガの指導に専念するため大学を去ります。

 

クリシュナマチャリヤやマハーラージャとの出会いや、修行の道のりなど、とても興味深いお話しがたくさんあります。

興味がある人は、シュリ・K パタビ・ジョイス著書の『ヨガ・マーラ』の中で、はじめに、エディー・スターン(ニューヨークで教えているパタビ・ジョイスの古くからの弟子)が書いたお話しを読んでみると良いでしょう。

 

 

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アシュタンガヨガの総本山 KPJAYI

パタビ・ジョイスのアメリカでの指導

70年代にパタビ・ジョイスがアメリカで教える様子。

Sri.K.Pattabhi Jois:Tributeより抜粋

 

1948年、パタビ・ジョイスはマイソールのラクシュミプラムという町に、小さなアシュタンガヨガ・リサーチ・インスティチュート(AYRI)というヨガの学校を設立しました。

クリシュナマチャリアからの教えと、古代文献との両方から学んだ、ヨガの病気治療的な側面について研究実験を行うためでした。

 

地元の公務員、警察官、医者などが、彼からヨガを学びに来ました。お医者さんが、自分の患者を彼の元へ送ることもありました。

そして、60年代に最初の西洋人の生徒がヨーロッパからやってきて、70年代に入り最初のアメリカ人が来ました。それから、少しずつ海外から彼の元を訪れる生徒の数は増えていきました。

 

1974年に、パタビ・ジョイスは南アメリカで開かれたヨガのコンファレンスに招聘され、翌年には、息子マンジュ・ジョイスと共にアメリカへ就き、4ヵ月に渡り指導しました。

 

当時アメリカで、アシュタンガヨガを実践しているのは、20-30人しかいなかったんだよ。

と、パタビ・ジョイスは事あるごとに言っていたそうです。

でも少しずつ、あと20年もすれば、もっと広まっていくだろうね、と。

 

それから四半世紀以上の間、アメリカ、ヨーロッパなど海外に何度も渡り指導を続けました。

そして、海外からマイソールの彼の元を毎年訪れる生徒も増え、彼の教えは確実に実を結んでいます。

それは、今日、世界中でアシュタンガヨガを実践している人の数を見れば納得できます。

 

AYRIは、一度に生徒が12人しか練習することが出来ず、2002年にマイソールのゴクラムという別の町に、新しく大きくなって建て変えられました。

そして、後に、Sri.K.Pattabhi Jois Ashtanga Yoga Institute(シュリ・K・パタビ・ジョイス・アシュタンガヨガ・インスティチュート)と名を変えます。

 

現在では、幼少期よりパタビ・ジョイスと修行を積んでいた、孫のR.シャラット・ジョイスが後を継ぎ、パタビ・ジョイスの教えを後世に伝えています。

また、パタビ・ジョイスの娘で、シャラット・ジョイスの母にあたる、R・サラスワティ・ジョイス師も、K.Pattabhi Jois Ashtanga Yoga Shala(クリシュナ・パタビ・ジョイス・アシュタンガ・シャラ)を設立し、76歳になられた今も指導を続けられています。

 

パランパラー

後継者たちの肖像

KPJAYI ©GANESHA PROJECTS

 

“パランパラー”とは、サンスクリット語で、師から弟子へと脈々と途切れなく継承される知識のこと。

直接的な実際の経験に基づいた知識を、師弟関係の中で伝承していくとう考え方です。

 

日本でも古くから、伝統文化、芸能、技術、武術などの高度な文化は、こういった伝承方法が取られています。

パタビ・ジョイスにも師のクリシュナ・マチャリヤがいて、彼にも師いて、その師にもまた師がいました。

 

そして、パタビ・ジョイスの教えは、後継者のシャラット・ジョイスや、娘のサラスワティ・ジョイス、アメリカに移住し指導している息子のマンジュ・ジョイスにしっかりと受け継がれています。

また、彼らそれぞれの元で何年も勉強をした弟子一人一人に受け継がれ、今日世界中で伝え続けられています。

 

最近、日本語にも訳された『Guruji(グルジ)』という本では、グルジの家族はじめ、多くの古くからのインド人、外国人の弟子が、彼との経験について述べていて、彼のヨガ知識の豊かさや、いつになってもすたれない格言、その愛に溢れた教えが伺えます。

 

 

 

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まとめ

たくさんの気づきを私達に与えてくれるアシュタンガヨガ。

一見、ハードなワークアウトのように思われることもありますが、実はとても奥の深いスピリチュアルな自己鍛錬なのです。

 

砂糖を舐めてみないとその甘さが分からないように、実際にやってみないと、その魅力や効用は味わえないかもしれません。

興味があれば、近くのアシュタンガヨガが習えるスタジオや教室を探してみましょう。

 

世界中どこへ行っても、同じメソッド(方法)に基づいて教えられていて、先生の元へ通えない場合でも、定期的に習いながら自宅で練習が継続できる、アシュタンガヨガ。

それは、あなたをイキイキとさせ、人生を確実に良い方向に導いてくれることでしょう。

 

参考文献:

JOIS,K.P.,2002, YOGA MALA, North Point Press, New York

SWAMI VISHNUDEVANANDA,1987, Hatha Yoga Pradipika, 2nd reversed ed, Motilal Banarsidass, Delhi

STERN,Eddie & SUMMERBELL.Deirdre, 2002, Sri.K.Pattabhi Jois:A Tribute, Published by Eddie Stern and Gwyneth Paltrow, New York

スワミ・サッチダーナンダ(1989) 『インテグラル・ヨーガ』伊藤久子訳、めるくまーる

 

参考ウェブサイト:
R.SHRATH JOIS.2018.KPJAYI(28th May 2018)

R.SARASWATHI JOI.2017.KPJAY Shala  (28th May 2018)

 

写真協力:
Steve Lapham (Ashtanga Yoga Newquay/Ganesha Projects主宰、アシュタンガヨガ正式指導者)

Rie Kazusa (マイソール京都主宰、アシュタンガヨガ正式指導者)

Matt Corigliano (Pure Ashtanga主宰、アシュタンガヨガ正式指導者)

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ライター紹介 ライター一覧

さち

004年、南インドを旅行中に立ち寄ったマイソールで、AYRI(現KPJAYI)にめぐり合いヨガを始める。その後、パタビ・ジョイス一家と定期的に練習を続けている。ヨガとヘルシーベジフードの普及のため、Ganesha Projectsを夫と共同設立。イギリスのコーンウォール州在住。アシュタンガヨガ正式指導者レベル2、ヨガシャラAshtanga Yoga Newquay を主宰し教えている。

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