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適応障害ってどんな症状なの?仕事場でなったら休職するのがいいの?

 2018/03/08 生活・ファッション
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適応障害ってどんな病気?仕事場でなったらどうすればいいの?

適応障害という名前が社会に浸透し始めて、10年ほどが経過していますので、なんとなくは理解できるという人が多いと思います。

「適応」に「障害」が出るという名前の通り、「環境に適応できないことからくる障害」と言えます。

症状としては、抑うつ気分や不安が強い状態、怒りっぽくなるなどの情緒面での不安定さや、無断欠勤や暴飲暴食、暴走行為など、それまで見られなかった行動などが現れるとされています。

また、頭痛、腹痛、吐き気やめまい、下痢や便秘といった身体的な症状も現れます。

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適応障害の定義とは

ICD-10という世界保健機構の診断ガイドラインによれば、適応障害とは「ストレス因により引き起こされた情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」

(出典:ICD-10

であると定義されています。

 

ストレス因というのは「重大な生活上の変化やストレスに満ちた生活上の出来事」のことを言います。

 

ストレス因の大きさは、個人レベルの出来事(結婚・転職・就職など)から災害レベルのことまで様々で、どの出来事が当てはまるのかはその個々人によって異なります。

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適応障害をチェックする診断基準

適応障害に関する診断基準は、以下のようになっています。

 

1)はっきりとしたストレス因があって、3ヶ月以内に症状が発現

2)著しい苦痛や生活に支障が出ている

3)他の精神疾患や、死別による反応ではない

4)ストレス因がなくなると症状は改善し、6ヶ月以内に治癒の状態となる

 

ここで特徴的なのは、「ストレス因がはっきりしている」ということです。

たとえば新しい学校に入学したとか就職、職場の配属先が変わったとか、結婚した、離婚したといった出来事が思い当たることが必須となります。

原因は分からない、という人は適応障害の診断を受けることはできません。

 

原因は分からないけれど抑うつ気分や身体的な不具合が続く、という場合には別の精神疾患や身体的な疾患が隠れている可能性が高いので、その方向で検査や診察を受けることが必要です。

また、「ストレス因がなくなると症状が改善する」というのも特徴です。

 

たとえば職場の配属先が問題なのであれば転属を行い、慣れ親しんだ場所に戻ることで元気になれば「適応障害だったんだね」ということができます。

ストレス因は、ささいなことであることが多く、なかなか共感してもらい難い場合も多いので、適応障害と診断されるまでに症状をこじらせてしまうことも多いことがこの病気の難しいところです。

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適応障害とうつ病の違い

前述したように、適応障害は抑うつ状態や不安の強い状態が見られますが、うつ病とは大きく異なる診断基準があります。

それは、「ストレス因がなくなれば症状は改善」することです。

うつ病の場合の診断基準は以下の通りです。

 

・悲しみや空虚感、絶望を感じているなどの発言や様子が見られる

・活動意欲や興味が激しく低下している発現や様子が見られる

・激しい疲労感

・食欲に関する変調(食べ過ぎてしまったり拒食状態になったりする)

・不眠や過眠といった睡眠障害

・焦燥感や精神活動の停止が周りから見ていても顕著

・自分を無価値だと思ったり、病的な自責の念

・自殺願望が強まり、死についての執着ともとれる考え

 

この中のいくつもの状態が同時に起こることと、大きな特徴としては「ストレスによって進行していく」「ストレス因がなくなってもすぐに改善しない」というものがあげられます。

また、適応障害は6ヶ月程度と比較的短時間で改善が見られますが、うつ病の場合は症状の揺り戻しとも言える状態が起こることがほとんどで、よくなったと周りも本人も思っていたのに突然自殺する、といった行動が見られることが多いことも知られています。

 

適応障害は誤解を招きやすい病気

適応障害のストレス因となる出来事は、出世や結婚、出産、就職や家を新築して転居する、といった一見喜ばしいことも含まれます。

その身体的変調は「自律神経失調症」と診断されることも多く、「メンタルが弱い」「わがまま」といった自律神経失調症に対する誤解と同様に誤解されやすいものです。

また、ストレス因から離れると早い段階で治癒した様子が見て取れるものだから、余計に「わがまま」と思われてしまいがちです。

また、よくある誤解が「メンタルが弱いなら、今後も同じような不具合を起こすに違いない」というものです。

そういった誤解から、もう異動をさせられないだとか、転勤を命じられないだとか、そういった評価をされてしまうこともありますが、環境が変わることすべてに反応が起きるわけではないのです。

一度起きた適応障害が、その先の人生をずっと縛り続けるということはありません。

 

適応障害は甘えではない

これまでお話してきたように、適応障害とは環境要因の強い病態ですが、「メンタルが弱いせい」とか「甘えている」という誤解を受けやすいものです。

しかし適応障害は、たとえば、アレルギーのようなものです。

花粉症のない人がスギ花粉満載の本州に行っても大丈夫なように、適応障害を経験したからといってすべての変化についていけないわけではありませんし、ましてアレルギーは「甘え」とは言いません。

アレルギーは生命に関わる自己防衛反応だから、ですね。

そのように考えると、適応障害も自己防衛反応ですから、甘えとは無関係と言えます。

アレルギーの場合も、免疫系の治療や抗ヒスタミン剤を飲んで症状と折り合う治療を行なう場合もあるように、適応障害も変えられない環境に関しては認知行動療法などを行なって適応をサポートすることが可能なのです。

 

適応障害はなぜ甘えと思われるのか?

適応障害が「甘え」だと言われる一番の理由は、「ストレス因を遠ざけると症状が改善すること」「ストレス因が遠ざかると早期に治ること」が挙げられます。

また、次でもお話するように、「みんな文句も言わずにその場所で頑張ってるんだ」といった社会の風潮が大きな要因だと言えます。

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適応障害で仕事ができなくなった時の経験

私自身のお話をしましょう。

私も適応障害を経験しました。

当時は、一体どれがストレス因なのか特定できないくらいの出来事がありすぎて、しかしそのすべてに適応できていないとは思っていなかったので、症状が軽減してから主治医に言われた「適応障害」という病名は衝撃でした。

きっかけは、夫の転職に伴う転居と、転居先での就職、そこでの文化の違い、文化が違う者を排除する風潮と、あとは人生初の骨折です。

私はずっと、札幌で精神保健福祉関係の施設で働いていたのですが、今住んでいる場所はかなり田舎で、勤めたのは精神科病院も開放病棟化が進む今の時代に、すべての窓に鉄格子がはまっている閉鎖病棟のみの精神科病院でした。

そこでは、私は異分子でした。

その病院では患者さんは「病気」そのものという捉え方でしたが、私達福祉職は患者さんを「病気を持つ生活者」と捉える、そこからそもそも違います。

折り合うことができないのは当然でしたが、私はそんなことに気づかずに仕事をしていたので、私を管理する上司と上層部の間では軋轢ができていたようです。

 

そのタイミングで私が足を骨折してしまい、やるべきことができなくなったりするということが頻発してしまいました。

 

私自身は人生初の骨折という体験で、仕事も家事も犬の散歩も夫の世話も満足にできなくなってしまい、上司も私に対して嫌悪感を持っていることが伝わる言動が増えていき、戸惑いと不安と、上司に冷たい態度を取られることが「恐怖」に感じられるようになり、少しずつおかしな冷え感や、仕事の日は下痢をするようになるなど、まずは身体的な変調が見られるようになりました。

 

そんな状態が4ヶ月ほど続いたある日、朝起きたら「生きているのがつらい」という思いに襲われ、まだ何も起きていないのに涙が止まらなくなり、勤務中もそれまでのように過ごせなくなりました。

私は、札幌での知り合いの精神科医の病院に駆け込みました。

 

「骨折もしてるし、抑うつ状態だろうから少し休養を」と言われ、薬を処方されて田舎に帰宅。

夫にも相談し、上司と話すのが恐ろしすぎたので夫に付き添われて職場に赴き、上司に自分の状態を伝え、どうしても出勤しなくてはならない日以外は休ませてもらうこととしました。

結局、その状態も病院の上層部には不満だったらしく、上司は再び注意を受けて私は勤務日数を戻されて、疲弊感が強くなり、上司もある日不満を爆発させることとなり、そのあまりの勢いと恐怖感に「もうこの人と一緒に働くことはできない」と思った私は、退職を申し出ました。

 

骨折から退職するまでには半年以上あったのですが、ストレスのせいもあってか骨はさっぱりくっつかず、退職の直前になってようやく足を引きずらずに歩けるようになるほど回復が遅かったです。

そのことも、私にとってはひどいストレスでした。

退職して、1年経つ頃には毎日犬の散歩も朝晩行けるようになり、眠りも不自由がなくなり、処方薬も今では飲んでいません。

 

住み慣れた場所からの転居と、それに馴染む間もなく文化の違う場所で働き始めたこと、そこでの人間関係、それから骨折という大きな変化が次々に起きすぎて、どれにも適応できないまま突き進んだのがいけなかったのだろうと、今では思います。

自分の心の声をしっかり聞かなかったせいで、大きな迷惑をかけてしまったとも思うし、しなくてもよかっただろう苦労をしてしまったと反省しています。

今は「変わったことは1個ずつ」というルールを設けて、自分のペースで生活を楽しんでいます。

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同じストレスに対応できる人、そうでない人の違い

うつ病や適応障害になりやすい人には、傾向があることはよく知られています。

 

・生真面目で責任感が強い

・オンオフの区切りがつけづらい

・完璧主義

・頼まれると断れない、緊張しやすい

 

適応障害の経験がある私自身で当てはめると、「オンオフの区切りがつけづらい」「緊張しやすい」という特徴が当てはまります。

24時間仕事のことを考えてしまいがち、というところで、知らないうちにストレスに晒されているのがその原因だと言われています。

また、「緊張しやすい」というのは、完璧主義と共通するところがあるのでしょうが、「きちんとしなくては」という意識が高い人が多いようです。

 

つまり、

・おおらかな性格

・息抜きがしっかりできる

 

この2点が適応障害にならない人の大きな特徴であると言えます。

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弱音を吐き出しにくい社会

これまでお話してきたように、適応障害は環境による変化や、それを受け取る側の本人の持ち味が大きく関係している病態です。

しかし、この診断を受ける人が増えているのはそれだけではなく、社会全体に流れる「タフであれ」とか「弱音を吐くな」といった考えによるものも大きいと言われています。

上述したようにアレルギー反応であれば、「この物質がアレルゲンかも」と一緒に特定してくれる医師がいて、薬を処方してくれたりマスクをつけたりといった工夫をアドバイスしてもらえますが、ストレス因に対する反応をこぼすことは、あまりよしとされていないのが現実です。

「みんな頑張ってるんだ」「大人なんだから黙って仕事しろ」といった「一億総頑張る社会」とも言える社会の仕組みがそうさせていると考えられます。

精神保健福祉の分野では、「持てるサイズにストレスを変化させる」ことが大事にされていますが、それを許されている場所は非常に限られています。

いつでも、誰でもかかる可能性のある適応障害。

どんな人でも自分のストレスを自分サイズにする工夫ができるようにすることや、お互いにいたわりあうといった気持ちのあり方が求められています。

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「適応障害かも?」と感じているあなたへ

これまでお話したように、適応障害は何らかの変化によって引き起こされることが多い病気です。

本当にちょっとしたことで起こってしまう可能性があるので、自分でも原因を探っていくうちに信じたくない気持ちになるかもしれません。

また、ストレス因をすべて取り除くことが難しい場合もありますよね。

でも、この病気はたとえるなら「鼻炎なのか鼻風邪なのか分からない」状態に似ているのだと思います。

鼻炎の場合は、抗アレルギー薬を飲めばすぐ症状は治まりますが、風邪の場合は充分な休養と適切な処方薬と栄養が不可欠ですから、対処を間違うと長引きます。

 

自分にとってのつらい状態の原因が何なのか、分からない場合はとにかく早く専門家の力を借りてください。

そうすることで、状態は早く改善しますし、そうでなければ本当のうつ病に進行してしまうという病気でもあるのです。

必要以上に自分を責めたりせずに、まずは誰かに相談して、早く自分らしい暮らし方を取り戻せますように。

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橋本 にほ

北海道在住の主婦です。

今は北海道の真ん中あたりの「何もない」があるマチに夫と元保護犬の女子と暮らしていますが、かつては札幌で依存症をはじめとする女性の精神障害の方や、何らかの精神障害を抱える方のお手伝いをする仕事を長くしていました。

夫と愛犬、手仕事、料理、映画と食べ物を愛する40代。
4歳から1型糖尿病、20代で喘息、リウマチ、蓄膿と紫外線アレルギーなど数えるとキリがないくらいの病気のデパートの体を抱えていますので自然と健康オタクに。

このマチに引っ越して初めて勤めた場所で驚いたことに適応障害になりました。
色々ありすぎて離職する選択をしてからしばらくたちます。
今はもうすっかり元気になりました。
そろそろ「何もない」があるこのマチで、何かしたいと思っていたところに、最近原稿を書かせていただくお仕事を始めました。

皆さんのお役に少しでも立てたら嬉しいです。

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