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内臓脂肪と皮下脂肪の違いってなんなの?放置したらどうなるの?

 2018/01/27 健康
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過剰なエネルギー摂取と運動不足が腹部肥満をもたらす

歴史的に人類は食生活が貧しい時代を何世代も重ねながら、非常時に備えて、体の中にエネルギーを保持するような遺伝的特徴を持つようになりました。

しかし、このような遺伝的特徴は、今日のように食べものが豊かな時代にいる私たちにとって、「肥満」という新しい病気を生むことになりました。

過剰なエネルギーの摂取と運動不足などによるエネルギー消費の減少は我々の体に過剰なエネルギーを残し、「脂肪」という形で体の中に蓄積されます。

お腹の内臓器官の間にたまる形態の脂肪を「内臓脂肪」と呼び、この内臓脂肪による肥満を「内臓肥満」あるいは「腹部肥満」と呼びます。

内臓脂肪が溜まっているお腹

 

人体内に脂肪がたまる空間は、内臓脂肪のほか、「皮下脂肪」というものがありますが、皮下脂肪は内臓脂肪に比べて健康への影響が少ないことが知られています。

内臓脂肪と皮下脂肪は、同じ脂肪細胞であっても分布の違いによって対照的な性質を持っています

内臓脂肪のほうが皮下脂肪にくらべて、蓄積されやすいですし、分解されやすいです。

その一方、皮下脂肪は合成されにくいし、分解もなかなかされにくいです。

なので、内臓脂肪のほうが皮下脂肪にくらべて燃焼されやすいです。

内臓脂肪は、いわゆる臓器の周辺とくに腸間膜に分布しているため、中性脂肪が分解されて生じたグリセロールとFFA(遊離脂肪酸)は、門脈を介して肝臓に流入し、生活習慣病や動脈硬化を引き起こす原因になりやすいです。

一方で、皮下脂肪は分解されて生じたグリセロールと、FFAは全身に運ばれ、筋肉などでエネルギーとして利用されます。

 

体脂肪 説明図

 

ここで、食事中に含まれる脂質や体の中にある脂肪はそのままの形だと、私たちの体が栄養素として吸収し、エネルギーとして利用できないです。

そこで、それを可能にしているのが、リポ蛋白リパーゼと呼ばれる脂肪を分解する酵素なのです。

このリポ蛋白リパーゼ(LPL)は脂肪組織などに含まれるトリグリセリド(中性脂肪)を、遊離脂肪酸(FFA)とグリセロールという低分子に分解することで、消化管などで吸収されることができるのです。

また、このリポ蛋白リパーゼ(LPL)はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)やアドレナリンなどの血糖値を上昇させるホルモンによって活性化される反面、血糖値を下げるホルモンであるインスリンによってその活性が抑制されているため、ホルモン感受性リパーゼと呼ばれています。

このようにして、血中に遊離された脂肪酸(遊離脂肪酸)は肝臓に運ばれ、グルコースなどに変換されたり、筋組織などでは、エネルギー源として利用されたりしてしているのです。

 

同じ脂肪の蓄積に起因する肥満であっても、内臓肥満が皮下脂肪型肥満よりもはるかに健康に有害な影響を与えます。

内臓肥満はしばしばリンゴ型肥満と呼んでいますが、人の形がまるでリンゴのように上から下のお腹までまるい形をしているからです。

 

これに比べて皮下脂肪型肥満は、主に女性に多くみられ、梨型肥満と呼びます。これは下腹部だけ脂肪が集まっていて、まるで西洋梨のように下側だけ膨らんだ形をしているからです。

 

 

りんご型と梨型の体型の比較

 

内臓肥満の原因は、摂取したエネルギーと直接関連があります。

カロリーの高い食品を過剰に摂取すると、内臓脂肪の蓄積を促します。

 

食品の摂取量に比べて運動量が少なすぎると、エネルギー消費が相対的に少なく、過剰なエネルギーが体内に蓄積されるようになり、これが内臓脂肪に蓄積されます。

一度、内臓脂肪の沈着が始まると、内臓脂肪細胞に付着している各種の受容体により、内臓脂肪はなかなか分解されなくなります。

そうなると、脂肪を蓄積させる性質が生じてしまい、徐々に内臓脂肪が増えていく悪循環に陥ってしまいます。

 

ストレスで悩んでる女性

 

代表的なのが、ストレスの受容体と副交感神経受容体です。

「ストレスを受けると太る」という表現はあながち間違ってはいないのです。

ストレス受容体が豊富な内臓脂肪は、ストレスホルモンに反応して自ら内臓脂肪の量を増やすことができます。

副交感神経受容体も似たような役割をするのですが、副交感神経が活性化される状況、すなわち、体を動かずリラックスした状態が長時間続いても同様に内臓脂肪は、自ら増加してしまうのです。

したがって、自律神経系のストレスホルモンと、副交感神経のバランスが内臓脂肪の量を調節するのに重要であることが言えます。

 

内臓脂肪とこれによる腹部肥満は、健康に悪影響を及ぼしているわけなのですが、早期に身体に現れる症状が特にないため、簡単に見落とされていることが多々あります。

 

気づいたとしても、生活習慣を改善しないままだと、内臓脂肪から分泌されるいくつかの生理活性物質が動脈硬化とインスリン抵抗性を誘導して、糖尿病を引き起こす可能性があり、各種の成人病の原因となるメタボリックシンドロームをもたらしてしまいます。

最終的には腹部肥満によって、糖尿病や、高血圧、そして高脂血症などの代謝異常に発展し、動脈硬化などの血管異常による脳卒中、心筋梗塞のような致命的な病気が引き起こされて始めて、肥満の深刻さに気づくことがあるのです。

 

ウエストを医師が測定している様子

 

腹部肥満を診断するためには、いわゆるFAT CTと呼ばれる、CT撮影を通じて皮下脂肪と内臓脂肪の割合を求める方法がありますが、これは高価な機器を使用しなければならない不便さがあります。

簡単に内臓肥満を診断することができる方法としては、ウエスト周囲径を測定し、男性の場合90cm以上、女性の場合80cm以上であれば内臓肥満と診断することもできます。

 

ウエスト周囲をヒップで割った比率は、実際の臨床でよく使われる内臓肥満の診断基準として、腹囲/ヒップ比が男性の場合0.9以上、女性の場合0.85以上であれば内臓肥満と診断することができます。

腹囲/ヒップ比の計算式は以下のように表されます。

WHR(腹囲/ヒップ比)=ウエスト(お腹の周り)[cm]/ヒップ(腰周り)[cm]

例えば、ウエストとヒップがそれぞれ85[cm]、90[cm]である場合、WHRは85/90=0.88なので、女性の基準値(0.85)を超えているので、内臓肥満と診断されることになります。

 

 

「動脈硬化」の画像検索結果

 

医学の統計によりますと、閉経前の女性ではWHR(腹囲/ヒップ比)、BMI(体質量指数)、腹囲の3つすべての数値と動脈硬化度と比例する反面、閉経後の女性はWHRの数値のみが動脈硬化と相関関係を示すことが分かっています。

つまり、WHR(腹囲/ヒップ比)の値が高い人ほど、動脈硬化により様々な心血管や脳血管の疾患に発展する恐れがあるということです。

よく肥満の指標に使われるボディマス指数(BMI:Body Mass Index:体重[kg]/身長×身長[m^2])が正常範囲の人でも、WHRの値が高いと、血管壁内において脂肪がたまりやすく、特に頸動脈(首の動脈)や心臓を栄養している冠状動脈の脂肪(アテローム)による狭窄が進んでしまうことがあります。

 

「obesity check waist」の画像検索結果

 

体重がそれほど高くなくても内臓脂肪の蓄積は起こることがあって、実際に体重が正常範囲でありながら、内臓脂肪だけ蓄積されている、いわゆる「乾燥肥満」も近年増加しているので、体重が正常であっても内蔵肥満は注意しなければならないです。

 

– 肥満の診断基準 –

1.胴囲:男性90cm以上、女性85cm以上

2.血圧:収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上

3.空腹時血糖値:110mg / dL以上

4.中性脂肪:150mg / dL以上

5.高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-cholesterol):男性40mg / dL未満、女性50mg / dL未満

 

上記の5つの基準のうち3つ以上を満たしていれば、メタボリックシンドロームと診断されます。

メタボリックシンドロームとは、複数の代謝性疾患をまとめて呼ぶ言葉であり、インスリン抵抗性が一般的に主な原因であることが知られています。

このインスリン抵抗性を作る根本的な原因が内臓脂肪の蓄積による「内臓肥満」なのです。

 

メタボリックシンドロームの成れの果ては、脳卒中や心筋梗塞などの致命的な疾患であることが多いです。

問題は、脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患が現れる前に、自分が代謝症候群にかかっていることに気づくほどの症状が現れないため、血液検査を含む診察を受けて確認しない限り、知って予防することは困難であることです

したがって、定期的な健康診断を欠かさず行うことで、自分がメタボリックシンドロームに該当するかいなかを確認する必要があるのです。

 

メタボリックシンドロームの他にも内臓脂肪に起因する疾患は、多くあります。

肝臓に脂肪の流入が増えることで、脂肪肝が誘発されます。また、炎症性疾患にも罹患しやすくなり、体内に有害な活性酸素(フリーラジカル)が増え、免疫システムに混乱をもたらし、喘息のようなアレルギー性疾患を発症することもあります。

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適宜な運動と正しい食生活が肥満の予防となります!

 

肥満にならない為に運動をしている様子

肥満を予防するためには適宜な運動と、正しい食事習慣を維持することが重要です。

ここで、適切なストレス管理を通じて自律神経のバランスをとることも肥満予防に欠かせないです。

特に適切な量を食べることに心掛け、高カロリーの食べ物を頻繁に食べることは避けた方が良いです。

 

また、適宜な運動は、代謝が活発になり、脂肪の分解が行われて、体の中に蓄積された老廃物が汗や尿により排出されることになります。

 

肥満の人の運動において注意すべき点は、突然の強度の高い運動は禁物であり、軽い運動を長時間定期的に持続しなければならないということです。

短時間に多くの力を出したり、短時間で行う運動は、炭水化物をエネルギー源として消費されますが、軽い運動を長時間行われると、体内に蓄積された脂肪をエネルギー源として消費されるようになりますので、肥満の治療においてより有効です。

 

参考→LSDランニングを取り入れて遅いスピードでゆっくり走り脂肪を燃焼させよう

 

小児肥満の息子に適した運動では、活気の継続的な有酸素運動としての自転車に乗って、速歩、階段を登るなどがあり、何よりも楽しく、活気のある内容がいいです。

小児における運動だけでする運動よりも友達と一緒にすることが望ましく、少なくとも1週間に3-5回、最大心拍数の60-75%程度の強度が良いです。

 

※注:最大心拍数は= 220 – 自己年齢

 

 

肥満を防ぐための食事の要領

 

肥満を防ぐための食品

①一日三食の食事をバランスよく定期的に食べましょう

通常カロリー摂取量を減らすために食事を抜くことがありますが、これは空腹感がさらに強くなって、暴飲暴食をする原因となり、不規則な食事は、エネルギーを保存する性質を促して体脂肪をかえって増やしてしまします。

 

参考→体質改善ダイエットを取り入れて食生活を見直そう

 

食事と食事の間に軽食を挟んで、暴食をしないようにしましょう

おやつは1日2回が適当で、2回を合わせて総カロリーの10〜15%を超えないようにしなければならず、脂肪、炭水化物からなる食品ではなく、牛乳、乳製品、果物、野菜などをおやつにすることが望ましいです。

 

 

 

③レシピを変え代替食品を探そう。

– カロリーが少ない食品や野菜などを使って、子供が飽きずに食べることができるよう、様々な料理のレシピを開発してみましょう。

– 油で炒めたり揚げるより、蒸したり煮てみましょう。

 

参考→お手軽・簡単・節約ヘルシー料理のレシピ

 

– ソフトドリンクの代わりに牛乳、アイスクリームの代わりにヨーグルト、ドーナツの代わりにマフィン、ポテトチップスの代わりにポップコーンを食べましょう。

– 砂糖、蜂蜜などの糖が多く含まれている食品(菓子、炭酸飲料、ケーキ、チョコレートなど)は避けましょう。

– ビタミンやミネラルが豊富な野菜や果物を十分に摂取するようにしましょう。

– 量は少ないけどカロリーが高いファーストフード、インスタント食品、ハムなどの加工食品は少なく食べるようにしましょう。

– カロリーは少なくしながら、満腹感を与える海苔、わかめなどの海藻類を多く食べるようにしましょう。

– 塩辛かったり、辛かったりすると、食欲をさらにそそぐことがあるので、なるべく薄味に調理しましょう。

 

④食事の前に水を飲んだり、果物を食べたりするのも空腹感をなくし、暴食を防いでくれます。

 

参考→半年間の水ダイエットを始める前に知っておくべきだったこと

 

⑤他の仕事をしながら食べないようにしましょう

– テレビを見たり、本を見ながら食べる場合には、無意識のうちに、不必要な摂食をしたり、過食をすることがあります

 

⑥事前に食べる量だけとって食べましょう

 

⑦夜遅く食事を食べないようにしましょう

 

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肥満を予防するストレス解消法

ストレスは現代人であれば、多かれ少なかれ受けています。

このストレスに対する私たちの認識をどう変え、またどう対処するかが重要なのです。

しかし、ストレスへの反応は自律神経によるものなので、自分の意思通りに調節することは言葉のように容易ではないかもしれないです。

なので、健康のためにもストレスを解消するためには、さまざまな方法で継続的に訓練をする必要があります。

 

瞑想、音楽療法、芸術療法、ヨガなどは、ストレス、不安、抑うつ、慢性の痛みを調節する心身医学的な方法であり、これらを継続的に実施すると、生活の中で、自らのストレスへの反応が変わることを感じることが期待できます。

そして、すでに「肥満」と診断された人や、高齢者の場合、無理な運動を開始するよりも、心臓や関節に負担を少なくする太極拳のような自律神経のバランスを整えることができる、心身医学的方法を試してみてもいいかもしれないです。

 

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ライター紹介 ライター一覧

松延健一 筑波大学医学群医学類

松延健一 筑波大学医学群医学類

私立大理工学部卒業後、筑波大学医学部医学科に編入、現在2年生
海外で暮らした経験があるおかげで、英語(Toeic900点以上)そして韓国語を話すことができます。
英語の重要性を改めて感じた今は、Toeflの勉強中で、英語をもっと上手になりたいと思っています。
将来は日本のみならず、海外でも活躍できるような医師になれればなと思います。

趣味はポップ音楽の鑑賞と映画鑑賞(特にサスペンス・スリル系)、たまにバドミントンをしてストレスの解消をしています。

<ライターからのご挨拶>
小学生頃、パーキンソン病を患っていた祖父は11年間車いす生活を送っていて、なぜ家族皆歩けるのに祖父だけが自由に歩けないのかを疑問に思っていました。
それがきっかけでパーキンソン病に限らず、様々な病気のこと、そしてその学問である医学に関心を持つようになり、医師への道を進むことになりました。
そもそもパーキンソン病とはドーパミンという脳内の神経伝達物質を分泌する神経細胞が減少することにより、手足が震えたり、筋肉がこわばったり、歩きづらくなる中高年に発症しやすい病気です。
パーキンソン病の根本的な治療法はまだ見つかっていないため、L-Dopaなどの薬物療法に頼っているのが現状だと思います。
WHO(世界保健機構)によると、日本の医療の質は世界でもトップクラスだと言われています。
しかし、死亡原因の1位であるがんを例にとっても、医療の質が改善したのは早期発見や医療技術によるものであり、根本的な治療法が開発されたからではないのも現状です。
伝染力が極めて強く、多くの人の命を奪った天然痘が、ワクチンが開発されることにより今日根絶されているように、今難病とされている病気も医学の研究者および色々な人々の日進月歩の努力により、根本的な治療法が見つかると思っています。
例えば、iPS細胞を使って分化させたドーパミン神経細胞の移植や、CRISPRなどを使ったゲノムの編集による遺伝子治療など、まだまだ研究段階にあり、すぐには臨床の場で応用されることは難しいと思いますが、いつかはその研究結果が患者さんに直接に役立てることを信じています。
また、自分もそのようなことに貢献できるような人になりたいと思っています。
最後に、こういう志をもって医学を勉強していく中で、正しくわかりやすい医学の内容を書いていけたらなと思います。

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